太陽光発電と太陽熱利用、そのメリットとデメリット

 

2010年度から、太陽光発電だけでなく太陽熱利用にも、国や地方自治体の補助金が助成されるようになりました。

 

太陽光発電と太陽熱利用にはどのような違いがあり、そしてそれぞれのメリットとデメリット、また併用することができるのかについて見て行きましょう。

太陽熱利用の特徴

 

太陽熱を利用するシステムは、熱エネルギーをそのまま熱エネルギーとして利用することから効率の非常に良いことがそのメリット・特徴となっています。

 

家庭では、暖房や給湯などの熱として利用することが多いので、この太陽熱による利用はエネルギーを変換させる必要がないことから省エネ、二酸化炭素の排出の削減、節電と全てにおいて効率が良いことが注目されています。

 

太陽熱を利用することに注目が集まることで、パネルを一つ一つ作るのではなくユニットとして販売することが可能になり、さらなるコストの低下・設置期間の短縮なども見込まれています。

一般住宅への太陽光発電システムと太陽熱利用システムとの比較

 

太陽光発電システムを一般住宅に設置

一般住宅に設置する場合を比較してみると、太陽光発電は20平米から30平米の設置面積を必要とするのに対し、太陽熱発電では4平米から6平米で必要量を発電できます。

 

また、太陽光発電の発電効率が10%から15%であるのに対し、太陽熱の利用は集熱効率が40%から50%と非常に効率が良いことが分かります。

 

価格も太陽光発電のシステムを20平米から30平米設置すると200万円から300万円必要ですが、太陽熱利用システムは設置面積が少ないので価格も50万円から90万円と少なくて済むのが特徴的です。

 

ですが、太陽熱利用にもデメリットがあります。

 

太陽熱を熱エネルギーとしてのみ利用しますので、太陽光発電が家電全てに利用できるのに対し、太陽熱利用は暖房もしくは冷房、給湯と言った熱エネルギー主体のものに限定されます。

 

そして、太陽光発電で発電した余剰電力は売電できますが、太陽熱利用の熱エネルギーは自家消費のみに限られることも異なります。

一般住宅以外での太陽熱利用

 

一般住宅以外でも集合住宅や企業でも利用されているのが、太陽熱利用システムによる熱エネルギーです。

 

東京都では「集合住宅等太陽熱導入事業」を2011年度よりスタートさせ、太陽熱利用のシステムを導入した新築の集合住宅に設置費用の最大2分の1を補助する制度を設けました。

 

この制度で、個人よりも住宅メーカーなどに太陽熱利用の促進を図ることを目的としています。

 

東京都内の新築着工数の約7割が集合住宅ですので、まずそこに注目し太陽熱の利用を一般化することがねらいです。

 

そして集合住宅でのエネルギー消費量の約半分が給湯や暖房などの熱エネルギー関連であることも、この「集合住宅等太陽熱導入授業」に着手するきっかけとなりました。

 

実際に太陽光発電と比べると、太陽熱利用は一般的認知が低く、東京都でも2010年12月までの太陽光発電の補助金の申請は14,000件以上に上ったのに対し、太陽熱利用の補助金の申請は300件しかありませんでした。

 

このような太陽熱利用の認知度の低さと、熱効率の良さから、東京都だけでなく国も、太陽熱利用システムの促進に力を入れるようになりました。

 

2011年度は予算を35億円に増大して、設置額の2分の1から3分の1の補助金の助成を行うようになりました。

 

個人用の住宅だけでなく、高齢者の介護施設や学校施設など、給湯や暖房の需要の高い場所への太陽熱利用の導入の促進に力を注いでいます。

集合住宅等太陽熱導入事業の概要

 

東京都の集合住宅等太陽熱導入事業は、東京都の新築住宅着工数の7割を占める集合住宅に着目した、太陽熱利用システムの設置の利用拡大を目的としています。

 

対象となる事業者は、年間20平米以上の太陽熱集熱パネルを導入した集合住宅を都内に建設する住宅関連の事業者です。

 

新築の集合住宅に適用されますが、戸建ての場合も集合体であるならば補助金の助成の対象内になります。

 

最大2分の1の範囲内で補助金の助成が計画されています。

 

問い合わせは、東京都の環境局都市地球環境部計画調整課です。

再生可能エネルギー熱利用加速化支援対策事業の概要

 

経済産業省の再生可能エネルギー熱利用加速化支援対策事業は、再生可能エネルギーの中でもエネルギー変換効率の高い太陽熱に注目し、バイオマス熱、地中熱等の熱資源の利用拡大を目的とし、技術の確立・導入の支援を行います。

 

対象となる事業は、地域による再生可能エネルギーの熱導入促進事業と再生可能エネルギーの熱事業者支援対策事業です。

 

地域による再生可能エネルギーの熱導入促進事業には、非常公共団体、非営利民間団体、また地方公共団体と連携して再生可能エネルギーの熱導入事業を行う民間事業者が対象となります。

 

助成額は、対象となる経費の2分の1以内です。

 

再生可能エネルギーの熱導入促進事業は、先進的で再生可能エネルギーの熱導入を行う民間事業者が対象となります。

 

助成額は対象となる経費の3分の1以内となります。

 

問い合わせ先は、新エネルギー導入促進協議会内の業務第2グループです。

太陽光発電と太陽熱利用を組み合わせることのメリット

 

三菱重工業グループなどの7社が集まって共同して行うプロジェクトで「エコスカイハウス」という省エネ住宅があります。

 

この省エネ住宅は、太陽光発電と太陽熱利用を同時に行うことで、再生可能のクリーンエネルギーの新しい利用技術のモデルになっています。

 

太陽光発電とパッシブソーラーハイブリッドを組み合わせること、電力需要予測機能による蓄電や蓄熱の最適化を図る電力供給システムの利用、そして車載用蓄電池を活用した電力の供給システムの3つを柱とした二酸化炭素を排出しない家づくりを目指しています。

 

このエコスカイハウスに利用されている省エネや環境対策の技術は600以上で、まさにエコシステムの集大成となる家と呼ぶのにふさわしいです。

 

この家でもやはり中心となるのは太陽光発電と太陽熱利用のコンビネーションです。

 

この二つを効率よく組み合わせることで、熱に変換するときのロスを最小限に抑えられると言うメリットがあります。

 

それ以外にも、太陽光発電は発電によって生じる熱が、発電効率を落としてしまうと言うデメリットとなるパラドックスを抱えていますが、この発電によって生じる熱も熱エネルギーとして利用することで、極力無駄をなくし効率の良い熱・エネルギーの利用を実現しています。

 

気温が25度の時でも、太陽光発電をしている太陽光発電パネルの裏側は温度が平均して86度以上になっていましたが、その熱をただ放っておくのではなく、熱エネルギー等して回収し無駄なく利用することができるのです。

 

これらは、太陽熱利用の温水器か太陽光発電システムかを選んでしまいがちな、新築もしくは既存住宅への太陽エネルギーの利用にも、大きな影響を与えるものです。

 

どちらも選択することでさらに効率よく、さらに快適に暮らすことが可能になると言うのです。

 

これらの実験によって実証された、太陽光発電と太陽熱利用のコンビネーションは、「エコスカイルーフ」として2010年に実用化され、販売されました。

 

価格はやはり高額になりますが、これからの需要の伸びによって低価格化が期待されます。