太陽光発電システムを個人住宅に設置する際に不向きな家とは

 

太陽光発電の訪問販売の営業マンは、大抵良いことしか話しません。

 

どの家でも太陽光発電システムを導入したら、光熱費が抑えられるだけでなく売電による収入まで得られるといった話をすることがあります。

 

具体的に、幾らの収入があると述べる場合もあります。

 

ですが、これらは大抵現実とは異なります。

 

個人の家の形状や、家族構成、屋根の形状、電気の使用方法によって大きく変わってくるのが、太陽光発電による光熱費です。

 

どんなに頑張っても、太陽光発電システムを導入することが光熱費の削減につながらない家と言うものが存在するのです。

 

それはどのような家なのか見てみましょう。

北向きの屋根のみの家

 

太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたひまわり

太陽は東から昇り、南天を通って西に沈みます。

 

なので、南向きに太陽電池モジュールを設置すれば最大の発電量を実現することができます。

 

 

ですが、その個人の住宅が南向きの窓を大きくとるために、屋根が北向きに片流れタイプである場合、北向きに太陽電池モジュールを設置することになってしまいます。

 

この場合、南向きの屋根に設置した時と比べて65%程度の発電量しか生み出さないのです。

 

同じ初期投資をかけても、65%の発電効率では採算が合うどころかかえって金銭的には大きな損益となってしまいます。

 

しかも、家の北側に他の住宅がある場合、北向きに太陽電池モジュールを設置すると太陽電池モジュールで反射した光が、北側の家の南向きの窓から入ってしまい、『光害』になってしまうのです。

 

この光害のために、太陽電池モジュールの撤去を余儀なくされた例もあります。

屋根面積が極端に小さい家

 

南向きに屋根が合っても、面積が少なければやはり発電量が少なくなってしまいます。太陽光発電システムの工事は、少ないkWでも大きいkWでもかかる時間と施工代金はほぼ同じです。

 

ですから、小さいシステムを導入するのと大きいシステムを導入することの価格の違いは、ほぼ太陽電池モジュールの価格差だけと言えます。

 

小さい出力のシステムに高額をかけて設置して、しかも発電量も小さいのでは、全く初期投資に見合わない結果を得ることになってしまいます。

 

一般的には、個人の住宅の屋根が狭小で、2.5kW以下の太陽光発電システムしか設置できない場合は、導入しない方が経済的と言えます。

夜間より昼間の電気使用量が大きい家

 

太陽光発電は、文字通り太陽光によって発電しますので、昼間しか発電できません。

 

ですから、この昼間の余剰電力を売電することで収入を得たりできるのです。

 

ですが、昼間の電気使用量が大きい家庭では、電気の使用量が発電量を上回ってしまい、10年間のお得な仕組みである売電を、利用できないのです。

 

高額な初期費用を回収することが、太陽光発電システムの導入の一つの動機であるなら、昼間に多くの電気を使う家庭には導入はお勧めできません。

メーカーの補償基準を満たさない家

 

高額の買い物でもある太陽光発電システムは、10年保証などもしもの時の心強い保証が付いています。

 

ですが、この保証は、メーカーが求める設置基準を満たして正しく設置された場合にのみ有効な事が多いのです。

 

例えば、豪雪地域や塩害がある地域では保証されないメーカーの太陽光発電システムを、豪雪地域もしくは海のすぐそばに住んでいる個人が設置してしまったら、メーカーの保証が何年残っていようと受けることができません。

 

通常は施工業者が、その個人の住宅がメーカーの求める設置基準を満たしているかどうか調べてから、設置可能なメーカーのものまたはその商品を購入予定者に勧めますが、悪質な施工業者の場合は下調べせずにとにかく設置するよう迫る場合があります。

 

メーカーの設置基準を、きちんと調べてから、自分の家が補償基準を満たしていることを確認して設置するようにしましょう。

初期投資が非常に大きくなる家

 

同じ太陽光発電システムを設置する場合でも、屋根の形状や耐久性、そして経年劣化(けいねんれっか)の具合などによって初期投資費用が大幅に変わってくることがあります。

 

太陽光発電システムは、以前よりは軽量化が進んだとはいえ、非常に重いパネルなどの部品で成り立っていますので、瓦や瓦の下の屋根部分がその荷重に耐えられないと判断したら、瓦の取り換えや屋根材の補強が必要になる場合もあります。

 

あまりにも古く劣化している家などでは、太陽光発電システム本体には200万円程度しか必要ないのに、屋根の補強工事がシステム以上の金額が必要だと見積もられることもあります。

 

そのような場合は、その工事をしてでも太陽光発電システムを導入する価値があるのか考え直す方が賢明でしょう。

 

もちろん、エコロジーの観点から太陽光発電システムを導入しようと決める個人もいます。

 

そのような場合は、費用回収が目的ではないのでついでに家の補強もできるとポジティブに考えることもできるでしょう。

 

ですが、光熱費の削減や、売電による収入などをメインの目的で太陽光発電システムを導入しようと考えている人は、家の大がかりな補強をする場合は、導入を見送りましょう。